現代では「こどもの日」として祝われる 5 月 5 日。この日はもともと五節句の端午の節句
にあたります。端午の端は「はじめ」という意味で、「端午(たんご)」は 5 月最初の午(うま)
の日のことでした。それが、 午(ご)という文字の音が五に通じることなどから、奈良時代
以降、 5 月 5 日が端午の節句と して定着していきました。
また、端午の節句は、その時期に盛りを迎える菖蒲を様々な形でふんだんに用いるこ
とから、別名『菖蒲の節句』とも呼ばれています。
江戸時代に入り、日本の中での中心が貴族から武家に完全に移るとともに、「菖蒲(し
ょうぶ)」の音が、武を重んじる「尚武(しょうぶ)」と同じであることから、「端午の節句」は、
「尚武(しょうぶ)」の節句として、武家の間で盛んに祝われるようになりました。この節句
は、家の後継ぎとして生れた男の子が、無事成長していくことを祈り、一族の繁栄を願う
重要な行事となったのです。3月3日のひなまつりが、女の子のための節句として花開い
ていくのに呼応するように、5月5日の端午の節句は、男の子のための節句として定着し、
現代まで伝統行事としてお祝いされております。 |